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Last Update:2019年3月16日

慢性腎臓病患者の年末年始の過ごし方~食事~

北里大学病院 栄養部 管理栄養士 吉田朋子

年末年始は、「年越しそば」や「おせち料理」など普段の食事とは異なる料理を食べたり、忘年会、新年会などの宴会・食事会など外食の機会も多くなります。
年明けに行う栄養相談では、「体重が増えた」「むくみがある」「カリウムやリンが通常よりも高い」など、食事が原因と考えられる場合もあります。年末年始の食事の振り返りをし、問題点をみつけていくことで、次の年末年始の食事のとり方に活かしてもらうことが重要です。
そして、食べてはいけないではなく、ちょっとした工夫で腎臓に負担をかけない食事にすることができることを実践してもらうことが大切です。

年越しそば

年越しそばは、今年1 年の災厄を断ち切るという意味で、大晦日の夜に食べる習慣があります。
麺類は食塩が多い料理で、冷たいそばでは食塩は約2.5〜3g、温かいそばでは約5〜6gになります。これは汁まで飲んだ場合となりますので、「汁は残す」ようにすると、約1/2 の減塩ができます。     

おせち料理

節(せち)を祝う料理の総称です。特にお正月を祝うもので、縁起のよい料理を重箱に詰めた料理になります。
以前は各家庭で作っていましたが、最近では重箱に詰められたものが販売されたり、単品で販売されたものを重箱に詰めるなど、様々な形になってきています。
おせち料理を食べると新年を迎えたという気分になりますので、食べてはいけないではなく、品数や量を調整することが大切です。特に、食塩、カリウム、リンは通常の食事よりも多い 料理がたくさんありますので、気をつけましょう。

購入した煮しめは味付けが濃くなっています。減塩するための工夫として煮しめは、ご家庭で食べきれる分だけをだしをきかせてうす味で作るとよいでしょう。また加工品もおせち料理にはよく使われますが、食塩が多く含まれています。加工品の食塩は減らすことができないため、食べる品数や量を調整しましょう。

きんとんや黒豆、昆布巻きなどはカリウムを多いため、食べる量を調整しましょう。
伊達巻やかまぼこなどの加工品には保存料としてリンが添加されています。保存料として添加されているリンは無機リンと言われており、体内で吸収されやすいので少量でも注意が必要となります。

忘年会・新年会などの宴会・食事会

まずは外食をする予定を確認しましょう。1 日2 食や連日となると食事の調整をするにも限界となってしまいます。週に1 回位までと決めて、外食をする日は他の2 食を食塩、カリウム、リンの少ない食事に調整するとよいでしょう。また外食の内容にもよりますが、自分で調整できる場合には、例えば、大皿で運ばれた料理なら、しょうゆやソース、ドレッシングなどの調味料をかける前に自分の分だけ小皿にとって調味料をかけないで食べる、または少量の調味料を別皿に入れてつけて食べるなどの工夫をしてみましょう。

暴飲暴食を避け、体調管理に十分注意しながら、今年の年末年始を過ごしましょう。

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