腎不全チーム医療協議会(Kicos)

CKDを知ろう

スペシャリストからの情報 第3回

Last Update:2019年4月5日

大誠会透析室におけるインフルエンザ予防

執筆:児玉君子 医療法人社団大誠会 サンシャインM&D クリニック
共著:松岡哲平 医療法人社団大誠会 理事長

大誠会は3つのクリニックと在宅部門が有るが、どの施設・部署も共通の感染対策を行っている。
全てのクリニックの各部署及び在宅部に業務感染委員が配属されており、毎月委員会を開催、業務改善と感染対策を絡めた活動を行っている。
クリニック部門、在宅部門に共通の大誠会感染マニュアル本を配置。インターネット・印刷本の両方から閲覧可能となっている。毎月開催されている業務感染委員会にて、様々な議題を取りあげ、対策を見直し、評価を繰り返し行い、その都度細かな改訂を行う。

マニュアル内の透析患者のインフルエンザ対策を紹介する

・ 毎年、透析患者のマスク着脱期間を明確にし、各施設に掲示
・ 透析患者は玄関にて擦式アルコールによる手指消毒をしてから院内に入る
・ 毎朝家庭で体温測定をし、37.5℃以上の時はクリニックに電話連絡をする*
・ 咳・咽頭痛・関節痛・倦怠感がある時もクリニックに電話連絡をする
・ 職員はマスクの正しい着脱方法について啓蒙活動を行う
・ インフルエンザウイルス抗原抗体検査を行う場合、検査を行うスタッフはフェイスマスク・手袋・エプロンを着用する
・ 患者・スタッフ全員がインフルエンザワクチンを接種する
・ 手洗いを徹底し、看護師・臨床工学技士は擦式アルコールを携帯している
・ 擦式アルコールを5 回連続して使用した場合、1 回石鹸と流水による手洗いを行う

*患者より電話連絡があった場合
① 送迎バスは利用せず自分で来院するように伝える
② 来院後、バイタルサインの確認と症状確認を行い医師に報告。インフルエンザウイルス抗原定性検査を行う。陽性の場合、抗ウイルス薬を処方する。
≪陽性の場合≫
・他の患者とは別の時間帯に透析室に入室。更衣室で一緒にならないように配慮する
・可能であれば隔離透析(個室がある施設は個室を利用)を行う。不可能な場合はスクリーンにて隣と遮断する
(症状が始まった日から5 日以内に症状がなくなった場合は症状が始まった日から7 日まで、又は解熱後3 日を経過するまで)
・マスクを常時装着し、他の患者との接触をできるだけ避ける
・院内喫食は禁止(個室であっても禁止)

清掃:個室は安定化二酸化塩素にて除菌
:手すりベッド柵等患者が触れた場所は第4 級アンモニウム塩を含むシートにて清掃
≪陰性の場合≫
・当日が透析の場合、マスクを着用し透析を行う
・症状出現後6 時間以内は陰性と判定されることがあるため、必ず翌日も検査を行う
・症状などから疑わしい場合、陰性判定であっても隔離・清掃など徹底する
①電話連絡をもらう
②患者自身に症状がでなければ通常通り来院

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