Kicosについて
Kicosとは
2011年日本移植学会を中心とするレシピエント移植コーディネーター合同認定員会による、認定レシピエント移植コーディネーター(Recipient Transplant Coordinator:RTC)認定制度が開始されました。現在までに200名のRTCが認定され、移植実施施設での腎代替療法(以下RRT)選択説明から移植後外来通院時の生活指導、移植前施設でのRRT、移植後の通院施設で生活指導など従事する業務は多岐に渡っています。しかし、RTCの活動内容や活動環境は統一されたものがあるわけではなく施設間差が多いことや、施設でのRTC数も差があり、現状は1人で奮闘している状況が多いことに加え、部署異動と共に現場を離れ、資格更新が出来ない者がいることなどが問題として挙げられています。このような状況下において、施設内では個人的に活動していても全国のRTC同士で情報やツールを共有できれば、横断的なつながりの創出、孤軍奮闘することの精神的負担が軽減するのではないかという思いから2016年に勇志で発足した団体です。
役員は透析技術認定士・腎臓病療養指導士・慢性腎臓病療養指導看護師(Chronic Kidney Disease Leading Nurse:CKDLN)腎代替療法専門指導士の資格を有する者であり、腎疾患患者を「看る」ことにおいて保存期・透析期・移植期を分断して捉えるのではなく、CKD全期をトータルケアとして看ることができる知識や実践能力や研究能力を備えているのが強みです。保存期や透析スタッフが移植は特別ではないと感じ、移植側からも保存期・透析を知る場を目指し、「教育」「ネットワークづくり」「情報提供」を軸に取り組み、CKDに携わる医療者の多職種連携を目指し活動を展開しています。
主な活動としまして
①透析側への働きかけとしてCKD全体の共通テーマを主としたCKDにかかわるスタッフが交流できる
学術大会の開催
②移植側への働きかけとして、臨床腎移植学会での移植にかかわるスタッフ(特に医師とコメディカル)
が交流できるセミナーを開催
③ホームページではカレンダーでCKDに関するスケジュールや学会レポートのUPや誰でも相談できる
ZOOMミーティングによる「CKD cafe」を開催
④学会での展示ブース出展
をしております。
さらに、2021年には、日本移植学会からの依頼を受け「腎移植患者さんのための新型コロナウィルスワクチンに関するQ&A」1)の作成にも協力するなど社会貢献に参加しました。
腎不全チーム医療協議会(Kicos)代表
河野 恵
ご挨拶
Kicos(腎不全チーム医療協議会)が発足し、10年目になります。コロナ禍を経てITの進化に必死についていきながらWEBによる情報共有が強化されたと実感しています。コロナが明けた現在、Kicos学術大会にはWEB開催による遠隔でも繋がれる機会を、臨床腎移植学会で開催するKicosセミナーと腎移植・血管外科研究会で開催するKicos sessionは、顔の見える交流ができる機会を企画・提供し、ハイブリッドな活動を行っています。
「血液透析」「腹膜透析」「腎移植」と専門性を高めることも必要ですが、自身の領域だけでにとどまらず、CKD全体の知識を習得し、保存期から療法選択、療養生活の最期までトータルにケアすることが患者・家族に寄り添った支援であると考えています。そのためのCKDに関する全領域の新しい情報発信と多職種の交流を今後も企画していきたいと思っています。
一人でも多くのCKD関連の方に各イベントに参加していただき、またKicosの運営にも参加していただき、輪を広げていきたいです。
2025年5月吉日
Kicos代表 河野 恵