腎不全チーム医療協議会(Kicos)

CKDを知ろう

腎移植・血管外科研究会

Last Update:2019年11月9日

平成31年5月17日(金)~18日(土)/高山市民文化会館

http://www.taiseikai.jp › rtvs35

特別講演3「移植医が考えるRTC像とは」     
 名古屋第二赤十字病院 渡井至彦先生  の報告

野口 文乃

特別講演3 「移植医が考えるRTC像とは」名古屋第二赤十字病院 渡井至彦先生

今回は特別講演「移植医が考えるRTC像とは」をレポートします。  

今回、第35回腎移植・血管外科研究会のプログラム委員を大会長の伊藤慎一先生(大誠会サンシャインMDクリニック)より仰せ使わりRTC・看護の企画をいたしました。

そこで是非ご講演をお願いしたかったのは「RTCの職場パートナー」であり、「良い理解者」そして時には移植患者さんのために「意見を戦わせられる同志」となる移植医の先生でした。そんな移植医の立場から見た「RTCとは」「RTCとはどうあるべきか」どのように私たちRTCのことをお考えになっているのか、お話をお聞きしたいと企画いたしました。

渡井先生は皆さんもご存知の通り、レシピエント移植コーディネーター認定合同委員会のメンバーです。RTCをご自身の施設にどのようにして設置されたか、また認定制度や認定試験(第1回の認定試験エピソードなど)、そして移植後指導管理料算定、日本の認定RTCの新規取得・更新の現状、そして昨今の働き方改革(36協定など)と言われる中、「限られた人数で多忙を極めるRTC業務を、より多くの認定RTCを配置して継続性のあるコーディネーター業務に変化させることが必要」と移植医の視点から述べられました。

今回、渡井先生のご講演をお聞きし「RTCはどうあるべきか」そしてRTC自身が「RTCの将来をどう考え、どう進むべきか、自分たちのことをどう考えているのか」と再び問われたような気がいたしました。そして正しく2020年認定制度開始後10年の区切りに向けた私たちRTCの新たな課題であると感じました。

皆さん、今後移植は増えていくのでしょうか?RTCの認定取得者は今後増加するのでしょうか?雇用状況は?社会での認知度や社会貢献は?私たちRTCどこに向かっていくのでしょうか?今回、目の前の働き方改革や後進育成に翻弄されるばかりでなく移植医療を担う専門職としての技を極めながらも、日本の移植医療にどう貢献できるかにまで視野を広げ、社会や組織の中でのRTCの役割を考え2020年に向け動き出したいと思いました。

渡井先生、本当にありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

渡井先生よりスライド提供

/第35回腎移植血管外科研究会.pdf

 

 

シンポジウム「RTCも悩む後進育成」の報告

河野 恵

 

 

 

〜学会シンポジウム企画・運営裏話〜 

 今回、大会長:伊藤慎一先生のご協力とご理解をいただき、2月の日本臨床腎移植学会から引き継ぐ形での、シンポジウム⇒特別講演⇒勉強会(ワールドカフェ)へとつながる企画を採択していただきました。

 シンポジウムでは、東京女子医大の岡部祥さんが、ハイボリューム施設で複数のRTCと勤務する状況や、自身の子育てとの両立をしながらこれまで歩んできた経緯をほのぼのとした雰囲気の中に紹介してくれました。2人目は藤田医科大学病院の林美佳子さんが、コーディネーターとして大学院でのスキルを更に磨いたことや、これまた複数RTCの役割分担を、3人目は水戸医療センターの仲宮優子さんが自施設だけではなく、他施設のRTCとの関係が、自身のモチベーション維持に効果を与え、今に至っているという内容を、また医師の立場から熊本赤十字病院の山永成美先生からは、RTCに望むこと、最後に企画者でもある北里大学病院の野口文乃さんが、クロージングも兼ねて、RTCのモチベーションを維持する方法についてまとめてくれました。           内容を聞いただけでも盛りだくさんだなあ・・と思いません?濃かったですよ。

また、前日(大会初日で、研究会には参加できておりませんが・・・)、事前に高山ツアーなるものを企画し、参加いただけた8人で、古い町並み散策では飛騨牛そば、飛騨牛丼、飛騨牛握り、飛騨牛コロッケ、牛まん、牛くし、みたらし団子などをシェアしながら堪能し、酒蔵めぐりではなんと!12杯も試飲するメンバーも!最後にはさるぼぼづくりに参加して観光は終了しました。

観光と1日ビッシリの研究会、濃密な2日間でした。

 またこのような企画も通し、CKDに関わるメンバーの交流に貢献出来たらなあ、と思っています。是非、皆様にお会いし、また同じ思い・時間を共有できますことを楽しみにしております。

※追伸・・・私は18日も高山に残り、夜は飛騨牛、漬物ステーキも食しましたし、19日に白川郷にも行ってきましたよーー

 

シンポジウム「RTCも悩む後進育成」の報告

仲宮 優子

岐阜、高山での研究会。私は岐阜に訪れるのは2度目でした。初めての岐阜は12年前石川県で開催された臨床腎移植学会に参加したときです。石川から足を延ばして岐阜県の白川郷へ観光に行きました。人生初の移植に関する学会参加、当時は遠方に来て観光もできて、学会ってなんて楽しいんだろう!と思ったことを覚えています。今回も奈良医大の河野さん企画の観光ツアーがあり、高山の町並み、グルメ、郷土品を堪能し、2日目のシンポジウムに臨みました。

 今回のシンポジウムは2月の臨床腎移植学会のシンポジウム「働き方改革」からの流れで組まれた「後進育成」です。私は「RTCの継続に効果を与える施設を超えた関係と活動 ~CKD看護における顔の見える関係のすばらしさ~」について発表させていただきました。ご一緒したシンポジストは、東京女子医科大学 岡部さん(ハイボリューム施設におけるRTCの育成プラン)、藤田保健医科大学 林さん(大学院でのRTC教育の意義)、熊本赤十字病院 山永先生(次世代のレシピエントコーディネーターに臨むこと~移植医の立場から~)、北里大学 野口さん(RTCのモチベーション維持につなげる方法)です。私は自分が10年間もがいて乗り越えてきた(育ってきた)中での経験について、そして顔の見える関係のすばらしさを知ることで県内外の勉強会の企画や参加を積極的に行っていることなど、自分のモチベーションとなるものについてお話しさせていただきました。

 先輩RTCの忙しく大変そうな背中を見ながらも、RTCのやりがいに惹かれRTCを志すかた、施設で初めてのRTCとして孤独や焦りを感じているかた、様々な環境や勤務形態の中で業務を行っていくときに、私たちの10年のようにもがく必要はありません。今回のようなシンポジスト、学会発表しているRTC達へどんどん声をかけて繋がってください。誰もが助けてくれるはずです。RTCの仲間だけではなく、今回、私たちのパートナーである移植医:山永先生からはRTCの地位向上、誇りをもって働ける環境作りの大切さを発信していただきました。今後、より働きやすい環境で後進育成が進むことを願います。職場での勉強会や地域の研究会などお声をかけて頂き、皆さまの後進育成のお役に立てればと思います。是非、Kicosにご連絡いただければと思います。

 このシンポジウムの後に行われたワールドカフェスタイルの茶話会には移植医の参加もあり、多職種でディスカッションすることができました。移植医からの斬新な意見、とても新鮮で楽しく学びの多い時間となりました、

そのお話は勉強会のページをご覧ください!!

 

一般演題「コーディネーターとしてミャンマーとの腎移植医療に関する情報交流にかかわった経験」の報告

池田 成江


仏教文化圏のミャンマーの現状を伝える発表は有意義であり、RTC、医療スタッフは積極的に外国人と関わり持つことを望みます。きっと新しい発見があるのでないでしょうか。移植では後進国ではあるミャンマーですが、「生前に善い行いをすると来世では良い縁で生まれる」と信じます。これは、臓器移植ネットワーク化が実現となった場合、日本の移植数を越える国になるのではと感じられた経験でした。 2016年に医療衛生学部臨床工学研究室に血液浄化基礎研究を目的に留学したミャンマー医師と日本の腎移植医療、臓器提供、献腎移植登録システム(移植システム)についての情報提供交流で分かったことは、ミャンマーでは腎移植医療は生体腎移植のみが施行されており、第三者からの「善意の臓器提供」を行うシステムがないことでした。また、意見交流を行った翌年に3rd Myanmar Nephro-Urology Soceity Conferenceでの講演、現地透析施設の視察では、ダイアライザーのリユース、ミャンマーでのAKI患者はsnake biteが多いことを知ることが出来た事です。

 

 

 

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