腎不全チーム医療協議会(Kicos)

CKDを知ろう

日本透析医学会

Last Update:2019年11月13日

令和1年6月28日(金)~30日(日)/パシフィコ横浜

http://www.congre.co.jp/64jsdt/

ワークショップ「腎代替療法の多様性と療養生活支援 看護実践と課題」

橋詰 亮

今回、ワークショップ「腎代替療法の多様性と療養生活支援 看護実践と課題」のセッションで講演させていただきました。座長は、みはま病院中野美子先生と佐藤循環器内科髙橋妙子先生でした。会場は国立大ホールでとても広い会場に緊張いたしました。

今回のワークショップでは、腎代替療法の多様性と療養生活支援について、長期血液透析、長期腹膜透析、複数の腎代替療法、HHD、腎移植の発表がありました。腎代替療法は患者のライフスタイルに合わせて治療を選択することが大切であり、各治療の特徴を踏まえて治療選択を支援することはとても難しいことであります。患者を支える看護師の力はとても重要であり、各治療における看護実践の現状から課題を導き出し議論されていました。

長期血液透析では、治療が長く続くことでの患者の負担や継続看護のやりがい、終末期でのかかわりについて議論されていました。長期腹膜透析では、PDからHDへ移行する時の患者の心理状況の変化へのかかわりについて議論されていました。複数の腎代替療法では、医学的理由によって治療を変更する場面においての多職種との連携について議論されていました。HHDでは患者の望む生活支援だけでなく介助者の支援も必要であることの議論がされていました。

私の発表では、腎移植は他の療法と比較し、時間の拘束や食事・水分制限が少ないことからQOLが高いことが特徴であること。しかしすべてが自由になるわけではなく、移植腎が生着している限り免疫抑制剤を内服し続けなくてはならず、感染症で入退院を繰り返してしまうことや、拒絶反応により移植腎を失う不安もある。治療後に「こんなはずではなかった」とならないよう、治療前には十分メリットデメリットを説明することが大切であること。意思決定支援の重要性について講演させていただきました。会場から腎移植→HDへ移行する時のかかわりに関することについてご質問をいただきました。レシピエント移植コーディネーターとして、移植外科外来に通院される患者さんのQOLを高めていくために、診察前問診を介して患者さんから情報収集し、今までできなかったことへの挑戦や社会復帰へ向けた支援を多職種と連携して行っていきたいと考えています。

特別講演4「地域包括ケアの看護のあり方」の報告

河野 恵

特別講演4 6月29日 10:30-11:30 第1会場 地域包括ケアの看護あり方

演者 坂本すが(東京保健医療大学) 司会 内田明子(聖隷浜松病院)

をレポートします。

まず私は地域医療連携室→入退院支援センターに勤務しておりこのテーマに興味を持ったわけですが、地域包括ケアシステムとは、

人間が生まれて家庭と家族を持ち地域に根差し生活するなかで、病気にもかかったりする。病気の急性期の入院治療は臨時的なものとして仕方ないが安定すれば当然人間は生活の場に戻ることとなり、住み慣れた地域の中で病気を抱えながら生きてゆくこととなる。一病息災というように、生活の場所で、病気があってもその状態に応じた生活を自分で決定し、家族やその地域の人々と共に生きていくことが人間らしく生きることにほかならない(Aging in placeの考え方)。

そう考えると地域全体で知己の人々を健康も含めて支えあっていくシステムが必要になる。こうして生まれたのが地域包括ケアシステムの考え方です。

この特別講演は、そのような変動している医療環境の中での看護とは何か、どのようにあるべきか、という講演でした。

「看護は間隙手。野球でいうところの抜けていきそうになるボールを掴む人、掴むことができる人。」

「看護は対人援助職であり、援助が必要な人を見抜いて援助する。」

「看護とは生きる力を引き出すこと。」

「看護の仕事、つまり生に苦しむもののよき伴侶太郎とする生活態度。」

「これからの看護は見えないところにある。見えていない看護とは、ルーチンワークをすることと相対する気遣いであり、看護師の生き方が影響するもの。」

などのキーワードがいくつか出てきていましたが、どれもその通りだ、と感じながら聞いていました。決まり決まった方法でどの患者にも対応することなどほぼない。それが個別性といわれるものでしょうか。

また、「ペイシェンツアイズ」→『患者はあなたをこう見ている。患者中心の医療・介護をすすめる7つの視点』についても紹介されていました。

非常にわかりやすく、日々自分たちが意識して、CKD看護の実践に生かすことができるのではないかと思い、紹介しました。

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